まるで映画「タワーリングインフェルノ」のようだ
何だあの燃え方は なぜあそこまで 7棟も燃えてしまうなんて考えられない
スプリンクラーはどうした? なんで隣の鉄筋コンクリートの建物まで延焼するんだ?
いやいや中国だもの・・・・
中国の防火体制なんて信用できないし、日本ならあんな燃え方はしない
工事用の足場が竹製って おいおい本気かよ!?
日本の消防法と建築基準法は世界一厳しいし、あんなふうに燃えることはない。
ほとんどの日本人は、今 そう思っているかもしれない。
いや待て・・・本当にそうか?
俺は、43年前の2月の東京 早朝
これと同じような光景を目の当たりにして震えていた。
「なんでこんなでかいホテルのあちこちから火が出てるんだ? これって消せるのか? あの人達をどうやって降ろすんだ?」
知識と技術が伴わず意気込みだけが熱くて、唇が渇き震え緊張している若き消防士に
隊長が放った活動指示
「聞け! ㉒は一人ずつリフターではなく、歩ける人は自力で梯体を降ろせ、それ以外は特救だ」
訓練ではやったことはあるが、頭の中は真っ白になっていた。
その時の俺は、「はいっ」ではなく「えぇっ!?」と言ってしまった。
その記憶が今でも後悔と不甲斐なさとともに鮮明に残っている。
あの時の火災も、今回の香港の火災も原因を追究すれば、とどのつまりは人災だ。
日本も中国も、どんなに厳しい規制があったとしても、それをすり抜けようとするのが一部の人間だ。
人間は、欲のために一番大事なことを見捨ててしまう生き物のようだ。
決して対岸の火事ではない。
中国だから起きた災害ではない。
日本のあちらこちらで、その火は燻っている。









