この先にあるもの

公務員卒業
自分の気持ちを最優先に、この先のことは少しづつ考えながら
赴くままに生きてみたい。

2021年8月26日木曜日

要救助者と避難行動要支援者

 消防職員として活動していた時は

自分の身の安全を確保したうえで、要救助者を救出する

という大前提の下で組織的に救助活動をしてきた。

救助隊員がそこで死んでしまったら、犠牲者が一人増えるだけだ。

救助隊員も要救助者も、尊い人命に変わりはない。

後輩にも部下にも、何度も何度も言い伝えてきた。

そして、安全を確保したうえで、「必ず助ける」という強い意志をもって

職務としての人命救助に関わってきた。


しかし

気持ちのどこかに、「自分は犠牲になっても、この人が助かってくれればそれでいい」

救助隊員冥利に尽きる

そんな、うぬぼれた考えが1ミリもなかったかというと・・・・嘘になる


今は

自分たち行政の職員が、どうしても救えない命を

「あなたたちの近くにいる、自分で避難できない人は、あなたたちが助けてやってください」

そんなことを、他人にお願いする職務を担当している。

困っている人を助けるのが行政の仕事 それができない時どうする


今さら、自助~共助~公助の話をする気はない

避難行動要支援者を支援してくれる支援者の方々の命を守るためにどうするか

どう説明するか どう伝えるか どんな言葉で理解してもらうか


言葉が浮かんでこない


退避基準に基づく、安全時間を見込んで活動時間を決めて

退避時間になったら速やかに退避してください!!

まず自分の命が最優先ですから・・・・


その次の言葉がつながらない   見つけられない


支援活動を中断して・・・中断?  それは終了を意味する

どんな言葉で飾っても、要支援者を置いて? 見捨てるってこと? しょうがないってこと? 


要支援者とともに犠牲になる必要なない、自分の命を最優先に守って・・・


命の優先順位


この時ばかりは必要か

多数傷病者発生の災害現場で実施するトリアージとは意味合いが違う


支援活動を中断して退避行動に移ってください


行政職員から投げかけられたその言葉に

「一度差し伸べた手を、放せって言うのか?」


次の言葉が出てこない


大きな壁


「あなたが生き延びることで、もっと多くの命を助けることが出来ます」


割り切れるだろうか


大きな壁


超えられるか