この先にあるもの

公務員卒業
自分の気持ちを最優先に、この先のことは少しづつ考えながら
赴くままに生きてみたい。

2014年1月26日日曜日

こんな消防 イヤだぁ~

その日は 初任教育の学生が所属研修に来ていた。

学生を紹介し、朝の交替が終わって
事務室に入る職員と
車庫に残って救助車の積載器材を点検する職員とが
別れて間もない頃

ピィィー! 庁舎全域に響き渡る火災の予告指令

「火災指令 建物火災 ○○市○○ 三丁目・・・・・・やよい神社 出火」

一瞬にして切り替わる空気
場所を確認する機関員
直ぐに防火衣を着装する隊員
エンジンが始動し、タンク車2台と指揮隊が出動・・・・・・・する筈だった

しかし、場所がわからない

隊長たちは 「おい やよい神社ってどこよ?」
        
        「えぇ~ 俺もわかんねぇ~よ」

        「指令書 確認しろ!」

        「指令書にも載ってねぇよ!!」


俺たち指揮隊は既に出動準備完了だ
しかし、消防隊の2隊の誰も場所がわからないらしい

先行隊の隊長が事務室に戻って 机の上で 地図を拡げ出した

「あぁ~ ここかぁ」
「なんだぁ あの神社 やよい神社っていうのかよ」

場所がわかったところで
今度は、別の隊長が

「おい、神社なら警防計画あるべや」

「そうだな チョット待ってろ 台帳調べるから」

隊長が各隊員を事務所に集めて

「おいっ この神社はな、有形文化財だから警防計画があるんだ」

隊員
 「へぇ~ そうなんですかぁ・・・・」

隊長
 「木造の大規模な建物だから 大口径のな・・・・・」
 「建物はな 包囲してな・・・・」

火災出動指令が入ってるというのに事務室で話し合いをし始めた

そんな呑気なことをしている場合じゃない
ブチ切れた 俺が 事務室に走っていって

「こらぁぁぁぁ 何やってんだ 早く車 出せぇ こらぁ!!」 と怒鳴り込んだ

ここまで、既に指令から5分以上が経過している
最盛期になってしまう
もし要救助者がいたら・・・・・・・

やっと消防隊が出動し、次に指揮隊が出動しようとした

その時

なんと署長に来客が・・・
しかも、5年前に退職したOBが、手を振りながら指揮車に近づいて来る

今、火災出動しなければならないという時に
なんと、署長は指揮車から降りていって

挨拶してるし・・・・・・・Orz

握手なんかして、なんだか「懐かしいですねぇ」とか言いながら
「どうぞ 中に入って休んでいってください」

えぇぇぇっ!? 

「署長 火災出動ですよ? 」

署長 「わりぃな チョット待っててくれ」 とか言って 庁舎に入っていってしまった

俺 「はぁぁっ!?   ありえねぇし」
   「いい、しょうがない 署長ば 置いて行くべ」

仕方なく某課長と二人で出動

車庫前を右折して国道に入ってもサイレンが鳴らない

俺 「課長! サイレン鳴らしてくださいよ」

某課長 「さっきからスイッチ押してるんだけど 鳴らないんだよなぁ・・・」

俺 「えぇ うっそぉ 緊急走行できないじゃないっすか」

某課長 「しょうがねぇ  焦らないでユックリ行くべ」

俺 「ユックリって なに言ってるんっすか もうひとつのモーターサイレン鳴らしてくださいよ」

某課長 「モーターサイレンって なによ? 何処にあるのよ??」

あぁ どうなってるんだ ここの消防は

頭に来た俺は火災出動中であることも忘れ
指揮車を路肩に停めて

某課長と殴り合い
「てめぇ こらぁぁぁぁ それでも 消防の 〇#$℃<※▽◇Х 」

こんな消防 イヤだぁぁぁぁぁぁ~



そこで

オッカちゃんに怒られた・・・・・・・

「うるさ~い!! なに 夢見て暴れてんだよ いい歳こいて!!」



あれっ?
あぁ 夢だったんだ

   夢で良かった



時計を見たら朝の5時30分 まだ外は真っ暗だ

心臓がバクバク打っていた
本当に 夢でよかった
こんなの現実であるわけがない 

俺が30年勤めた消防が こんな消防であるはずがない

信頼できる隊長と、自慢できる隊員たちと
尊敬する上司が いつもそばにいる安心感

それがあるからこそ、俺たち指揮隊は
現場でひとつの目標に向かって部隊を統率することが出来るんだ

あり得ない、変な夢を見てしまったもんだ
俺も修行が足りねぇな


因みに 管内に やよい神社 なる建物は存在しない

そして、俺たち消防職員は

常に、災害に立ち向かう為の
臨戦態勢は整っている。

そういえば 今日は 文化財防火デー

そして明日は その訓練だ
気合入れて 行くぜぇ  おぉぉ\(~o~)/




0 件のコメント: