この先にあるもの

公務員卒業
自分の気持ちを最優先に、この先のことは少しづつ考えながら
赴くままに生きてみたい。

2017年8月18日金曜日

訓練の講評

年に3回 × 3署
火災,救助,対象物の訓練を査閲するようにしている

日時や場所,内容は各署に任せ
要綱作成上の留意点だけ伝え
進行は訓練隊員に応じて,ブラインドでもシナリオでも構わない
が・・・なるべくならブラインド

留意点は2点
出動隊は各署の実状に即していること
出動人員は最少の時を想定すること

それだけ

視たいのは,個々の隊員の技術・レベルではない
ましてや,基礎訓練や個別の切り取った部分の訓練ではないし
普段各々で実施しているトライ&エラーを主眼とした訓練でもない

視たいのは,部隊としての完成度・・・具体的に言えば各隊の連携

有りもしない指揮隊が先着したり
遠く離れた出張所の後続隊が1分後に現着したり
普段とっていない1隊5名体制で出動したり
乗り換えの筈の救急隊が火災現場に同着したり
火災現場で円陣を組んでみたり
普段着用していない救助服で出動したり
現場最高指揮者が複数いたり・・・・etc

俺たちが若い頃は
そんな実状とは掛け離れた訓練ばかり
させられていたし
個別訓練でもトライ&エラーは許されなかった

今は,そんな訓練をする部署は,ひとつもない
日々,若い職員を指導し自分も成長する
知識と技術が伴うよう身体を動かし
伝承を基本としつつ,時代に即した新しい技術を身に付ける

それが,今の訓練の有り方だ

査閲と言うからには
終了後には必ず講評をする

本日の訓練は,「概ね良好」ということで講評とさせていただきます
お疲れさまでした

これは,対象物の関係者等も参加して実施する合同訓練での講評
どこが講評なんだか良く判らないけど
とりあえず,良くても悪くても「概ね良好」だ

事業所の関係者には,後から担当者が具体的な内容を指摘して
今後の防火体制の強化に繋げて貰えればいいので
俺の講評は,社交辞令のようなもんだ

ただ

       ただ

消防内部だけで実施する訓練の講評は,そうはいかない
ダメなものはダメだ
概ねもクソも,良好でないものは不良でしかない

俺は完成度を視に来ている
ダメな時は
今日の訓練が,実災害でなくて良かった
とハッキリ伝えるようにしている

災害現場は1回きりの勝負
そこでトライを試みて,エラーする奴なんていない
それは絶対に許されない

百聞は一見に如かず
と言う,ことわざがあるように
一度の災害現場での教訓は何物にも変えがたい
貴重な経験ではあるけれど

では,その時の現場での活動は
消防として,また一隊員として中途半端な不十分な未完成な
そんな活動をしてしまったのか?  と言うことになる

災害現場は俺たち消防隊員が
普段の訓練成果を,思う存分100%発揮する場だ
100%出し切っても,なお足りない部分があったのなら
それを克服していく為に訓練を繰り返す

百聞は一見に如かず・・・・・ そのこと自体,否定はしない

ただ,俺たち消防は

一回の災害現場の為に,100回訓練するんだよ

それが,消防の使命だ

と,現場を離れ動けなくなった自分のことはチョッと横に置いといて(^_^;)

査閲の講評は,なるべく本音をぶつけるようにしている
と言うか
抑えられなくて喋ってしまう・・・・・(>_<)


でも,きっと俺如きのレベルの上司に

今日の訓練は旨く行きました,また頑張りましょう  お疲れさまぁ~ず

なんて講評されたら
皆,やる気なくなっちゃうだろうしなぁ

逆に言うと
俺如きのレベルの消防職員に
指摘されるような訓練を見せるんじゃねぇ~よ

ってことだ

一見は百訓に如かずだ!!


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